BANANA FISH
見る前からラストが凄いぞ！という話は聞いていたのだけれど、完走した今、とても尾を引いています。
どうもこんにちは、ピヨです。
今までにも沢山のキャラたちが作中で死んでいっても予定調和だ、と思い何も感じてこなかったのに、どうしてこんなにアッシュが死んで悲しいのか。
それは多分、この作品を少女漫画と思いながら見つつもBL漫画として見ていたことが大きいと思います。
わたしが好きなBLというのは、根本に「ハッピーエンドであるべき」という概念が必ずあります。
メリーバットエンドで終わった作品も好きですが、それだって「他者から見ればバッドエンドな状況でしかないが、当事者同士はそれを納得しており、お互いにとってそれが幸せである」という概念が必ずあるからこそ、安心して読めていました。
この「BANANA FISH」という作品を読んでいた時、思ったのはどうして作者の先生はアッシュにこんなにも試練を与えるのだろうと感じました。
10歳にも満たない頃から周りの大人たちに摂取され、親にも守ってもらえず、ゴルツィネの汚い欲に穢され、やっとマシな仲間たちとの場所を手に入れたと思えば、周りはそっとしてくれず……。
そんな彼がやっと肩の荷を下ろし、ただのティーンエイジャーとして笑うことができた場所が英二でした。
彼らの中には友愛・親愛などが濃くあり、わたしたち腐女子が食い物にしてはいけない神聖な何かがあるのだと。
そんな二人が一時は離れることになったとしても、やっと最後の最後で全てのしがらみから解放され、今度はお互いに何もないただの「アッシュ」と「英二」で会えるね、というラストになるのだとばかり思っていました。
いいえ、本当はラストが凄いって聞いていたので、「バナナフィッシュ 最終回」と調べてレポを読んでいたので、どうなるかは知っていました。
そのレポでトラウマになったという文章などを読み恐怖を感じ、アニメを見始めるまでに3日くらい悩みました。
それでも、トラウマになった人たちが「作品を見れたことは幸せ」だとか「凄くいい作品」とかいう文章を書いていらして、それに背を押されるかのようにして見始めたのです。
休日は全部潰れ、徹夜をしたせいか精神的にもズタボロになりました。
それでも、見たことは後悔していません。
そして、わたしはやっぱり検索で同じことを調べ、もう一度レポを読み直し、どうしてラオがそうしたのか、この後の英二たちはどうするのか、英二が出したフォトアルバムの話、など色々教えてもらい、それでもやっぱり納得できない自分がいます。
アッシュが生きていないのが悲しい。
これからだったのに、とか、やっと自由になれたのに、とか、日本に行くんじゃなかったの？とか陳腐な言葉しか思い浮かびません。
君にもう会えないのが悲しいよ。
君がやっと色んなしがらみを切り抜けて空に飛ぶことができると思ったのに。
「アッシュは人を殺しすぎた、だから犬死させることすると決めていた」と先生がおっしゃっていたというレポを読みました。
確かにアッシュは殺しすぎたと思います。
仕方ない死なんてないと思うので、それはアッシュの罪です。
それでも、やっと今からというところで、どうして？という気持ちでいっぱいです。
アッシュはもう殺したくない、と叫び悔やんで来たじゃないか。
少しは他の漫画やアニメみたいに許してあげてよ、先生、と。
沢山推しの死を見てきました。
悲しくて、しんどくて、辛くて。
そんなこと今までにも何度も経験してきました。
推したちの死によって仲間が助かり、状況が変化し、無駄ではなかった、と彼らの殉職に感謝と尊敬を抱いてきました。
じゃあ、彼らとアッシュは何が違うのか。
今までの推したちの死は、何かを動かすための切っ掛けでした。
でも、アッシュの死は、何の切っ掛け？
今から始まる終わりだったのに、周りのみんなは新しい世界に行けたのに、アッシュだけ終わりのための終わりで、新しい世界には行けない。
そんな気しかしません。
アッシュは、ずっと苦しんでそれでも英二がいたから幸せで、最後は英二の言葉に包まれて死んだのだということは理解しています。
ただ、納得はしていないというか。
いえ、これがこの物語の最後。
だから、自分の心の落とし所を付けたいと思って、文章にしているのですが、何を書いてるのかだんだんわからなくなってきました。
やっぱりアッシュの今後が見たかった。
英二と一緒に日本を遊ぶ姿が見たかった。
君は今からなんだよ。
今からだったのに。
みんな、どうやってアッシュがいなくなったことに心を納得させたんだろう。
わたしはしばらくこれも楽しみ方だと思って、アッシュの死を引きずっていこうと思います。
